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美容室の立地リサーチや収支のシミュレーションなどの準備も必要です。
準備して美容室を開業すれば後悔せず営業できる！
美容室のアシスタントとして長年勤務して腕を磨いたら、独立開業して自分の店を持ちたいものですね。でも、ちょっと待ってください。美容室を開業するにはどんな手続きを踏めば良いか、資金や準備期間はどれくらい必要か理解していますか？ 美容室の開業は大きな決断ですが、勇気と無鉄砲は違います。後悔せずに夢を叶えるためには、開業前の念入りな準備が必要です。美容室の開業には何が必要か、人の雇用や事業計画はどのように準備すれば良いか確認しておきましょう。 美容室開業後にしかわからないこともありますが、準備を万端にすれば失敗を最小限にできます。
美容室の開業に必要なものは事前に準備しよう
突然ですが、美容室の開業に必要なものは何かを考えてみてください。当たり前ですがまずは美容師です。開業後にオーナーとなるあなたも美容師ですが、果たして一人で店を運営できるでしょうか。アシスタントを雇ったり、経理担当の人も雇用したりする必要があるかもしれません。人の次には物の準備も必要です。シャンプー台と鏡に加えて、スタイリング剤やシャンプー、美容液といった備品があります。しかし、レジや事務所の机を忘れていないでしょうか。開業すると、アシスタントとして美容室に雇われていた時には見えないものも必要になります。
お金も忘れてはいけません。低金利が続いていますが、融資に慎重な銀行の姿勢は変わりません。お金を借りられるように美容室のコンセプトを説明しなければなりませんし、開業後の事業計画も求められます。「お金なんてなんとかなる」と思わず、書面で計画を準備してください。 人、物、お金は目に見えるものですが、見えない部分の準備も怠らずに行いましょう。美容室を開業する場所のリサーチです。オフィス街と学生街では客層が違いますし、季節によって需要も大きく変化します。想定外の事態が起きても対処できるように調査しておきましょう。
アシスタントと美容室オーナーは立場が違う
独立開業を目指すあなたは、美容室のアシスタントとしては優秀です。しかし厳しい言い方をすると、オーナーとしてはまったくの素人ですね。では、新人経営者として日々奮闘し、その上でスタイリングと経理まで一人でこなすことはできるでしょうか。 はっきり言って、相当お客さんが少なくない限り、一人きりで美容室を運営するのは現実的ではありません。開業前に人を雇う準備をしておくほうが後々の負担が少なくなり、美容室の経営に専念できます。可能であれば、現在勤めている美容室のオーナーに「開業前にどんな準備をしましたか」と尋ねておきましょう。人を雇えば顧客満足度向上につながる
「美容室を開業したばかりの段階で人を雇う余裕はない」とお思いかもしれませんが、お客さんの立場で考えましょう。美容室に行ったらスタイリストが一人しかおらず、準備にも時間がかかって順番を待たされるとします。そんな美容室に行きたいでしょうか？ 人件費節約のために一人だけで美容室を経営すると、お客さんが減ってかえって損をする可能性があります。アシスタントを雇ったり、税理士と契約したりするのは、顧客満足度を高めるための投資であると考えてください。 なお、美容師を雇う場合は3日間の講習を受けて「管理美容師」資格を取る必要があります。開業資金の準備と管理方法を把握しておく
美容室の開業時に準備が必要な資金は約1,200万円です。そのうち自己資金は平均で約300万円ですから、残りのおよそ900万円を銀行等から借りなければなりません。自己資金が少なければ、それ以上の借り入れが必要です。多くの美容室は、開業の2か月ほど前に銀行から融資を受けています。開業前に改装工事等の準備期間が必要になるためです。また、ここで挙げたのは開業資金ですから、後述するように毎月の収支も考えなければなりません。 銀行に融資を相談するのはハードルが高いですが、事業資金の管理口座は必須ですから、口座開設を兼ねて相談に行きましょう。
美容室開業を成功させるポイントは事前リサーチ
店の内装を決めて保健所の許可を受け、資金調達の目処がついたとしても、美容室の開業にはまだ準備が続きます。厳しい現実ですが、2017年には全国で151件の理美容室が倒産しており、うち92.7%が負債5,000万円未満の小規模倒産です。 残念ながら美容室倒産の可能性をゼロにすることはできませんが、綿密な準備計画を立てることで可能性を下げられます。「夢を叶えたい」という甘い考えだけではいけません。開業前にさまざまな調査を行い、現地リサーチも実施してください。たとえば、美容室を開業するための賃貸物件はどのように探していますか。インターネットや雑誌で探すこともできますから、「この物件は駅から近くて賃料も安い」という理由で契約を決めることは可能です。しかし、事前リサーチを行わなければ失敗の可能性が高まります。 その物件はなぜ安いのでしょうか。駅から近くても急な坂道があるかもしれませんし、近隣に客層が悪い店があるのかもしれません。それ以前の問題として、美容室に来てくれるお客さんがいる場所でなければ、開業しても閑古鳥が鳴いてしまいます。現地に赴かなければわかりませんね。 美容室の立地以外にも、流行中のヘアスタイルの把握や収支計画立案など、いくつもの準備が必要です。
立地と客層が美容室の売上を左右する
立地と客層の調査が開業前の準備で最も重要だと言っても過言ではありません。先程述べたように、現地に行って賃貸物件を見ることに加えて、どのような人が美容室を訪れる見込みかも調べておけば、事業計画を立てやすくなります。 美容室をオフィス街に開業すれば、短時間でビジネスに適した髪型を提供することが求められます。大学が近ければ若者向けの美容室になりますね。未知のスタイルに挑戦しても良いですが、今までの自分の経験に合ったタイプの美容室を開業するのが無難でしょう。 立地選びの段階で開業の成否は決まっていると言えます。流行の変化は開業後にしかわからない
会社員や学生といった客層に加えて、地域や都道府県によっても美容室に求められるヘアスタイルは異なります。その地域でどのような髪型が人気かを開業前に調べておけば、スタイリング剤の購入などの準備をスムーズに行えます。 ただ、流行は時代とともに移り変わります。極端に言えば、今でもバブル期の髪型をしている人はあまりいません。いくら念入りにリサーチしても流行は開業後に変化してしまいますから、雑誌やネットで変化を追い続ける準備が必要です。 また、若者がターゲットなら、成人式や卒業式など季節の変化も見逃さないようにしましょう。準備段階で月ごとの収支をシミュレーションする
毎月一定の給料をもらうアシスタントは気付きにくいですが、美容室は毎月収入が変化します。先ほど挙げた成人式などのイベントがある月は売上が多くなりますし、夏と冬の傾向は別です。1月の売上が100万円でも、2月は50万円に半減することもありえます。 支出も毎月一定ではありません。ある月の売上が多くても「来月も同じくらいの来客が見込める」と考えるのは早計です。翌月の客数が減って、発注したスタイリング剤が余ってしまうこともあります。難しいですが、月ごとの収支の変化を開業準備段階でシミュレーションしておきましょう。慎重すぎる準備が美容室開業を成功へ導く
美容室に必要な人と備品を開業前に準備して、店を開く場所の客層を調べ、資金計画を立てるのは、成功のための必須条件と言えます。最もハードルが高いのは、銀行に事業計画を認めてもらうことだからです。今回は触れませんでしたが、広告やSNSによる集客方法も準備中に考えてください。 独立開業を思い立ったらすぐに行動したいものですが、夢を壊さずに美容室を開業するには、石橋を叩いて渡るくらいの慎重な準備が必要です。どれほど腕が良い美容師でも、開業前の準備が足りなければお客様は来ません。言い換えれば、慎重すぎる準備が美容室を成功に導くのです。
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