.jpg)
美容師として復帰したいけれど、正社員で働く自信はない…

美容師として一人前になるには、修業が必要です。また、美容師という仕事が好きだから、この職についたという方も多いでしょう。出産などで一度仕事から離れると、いざ好きな仕事をもう一度やりたくても、特に小さい子供がいる場合は難しいでしょう。最近は男の人も、家事や育児を分担するという風潮ですが、実際には女性の負担が多くなっています。2018年の全国家庭動向調査でも、家事・育児の負担割合は男性2:女性8という調査結果が。働くならば短時間だけの「パート」という選択肢があります。正社員との違いや、パートで働くメリットデメリットを紹介します。
正社員、パート、派遣社員…雇用形態の違いは?
雇用形態にはいろいろあります。正社員やパートのほかにも派遣社員、業務委託など。正社員の中には短時間労働の正社員もいます。これらの雇用形態は法律で定義されており、厚生労働省のホームページでも紹介されています。・派遣社員(派遣労働者)・・・人材派遣会社と労働契約を結び、労働派遣契約を結んでいる会社へ派遣される。指揮命令を受けるのは派遣先の会社。
・契約社員雇用・・・期間が決まっている雇用形態の一例。契約期間(上限3年)を終了すると、自動的に雇用関係も終了。
・パートタイム労働者・・・同じ会社に勤めている正社員と比べて、1週間の所定労働時間が短い労働者。「パートタイマー」「アルバイト」などの呼び方がある。
・短時間正社員・・・労働条件は同じだが、1週間の所定労働時間がフルタイムの正社員よりも短い正社員。
・業務委託(請負)・・・仕事の出来高に対して報酬が支払われる。原則として労働者ではなく、事業主として扱われる。
では実際には、上記以外に何か違いはあるのでしょうか。たとえば雇用期間とか社会保険の加入の有無など。この2つは働くにあたり、特に気になるところですね。雇用形態による違いをみてみましょう。
雇用期間からみてみる場合
上記に挙げた雇用形態のうち、正社員は無期限で雇用される「正規雇用者」です。それ以外の派遣社員、契約社員、パートは期限が決まっており、「非正規雇用者」と呼ばれます。業務委託は自らが事業主となるので、ここでは省略します。 雇用契約に期限があるというのは、更新を繰り返しながら働くということです。長期にわたって同じ職場で働いているのに、いつ契約が終了してしまうのかと不安も尽きません。 そこで、法律が整備されました。2013年4月1日以降に5年以上継続して、同じ職場で働いている非正規労働者は、自らの申告により無期限に転換できることとなったのです。保険制度での違いはあるの?
雇用形態と社会保険加入の有無は関係ありません。社会保険は、働き方によって違ってくるものです。社会保険には5つの種類がありますが、雇い主が加入の「労災保険」、40歳以上強制加入の「介護保険」以外についてご説明します。 「雇用保険」は労働時間が基準。たとえ非正規雇用でも、条件に当てはまれば加入が必要。加入していれば、失業保険など各種給付金を受給できます。 「公的医療保険」「公的年金」については、収入が基準になります。美容サロンは社会保険に未加入のところもあり、正社員でも自分で国民健康保険に加入している人も多いようです。では、どの働き方を選べばいいのか
業務委託は、自由に働き方を決められるのがいいところ。でも個人事業主になるので、雇用者として守られていません。短時間正社員は、制度が整っていないところが多いようです。フルタイムの正社員となると拘束時間が長く、家事育児との両立が難しい。特に子どもが小さくて保育園にお迎えが必要な時期だと、いろいろと支障が出てくることが多いでしょう。 派遣社員は繁忙期などの期間限定や、契約終了時に次の派遣先がすぐに決まらないこともあります。契約社員は、契約期間満了後に次の職場を自分で探す必要あり。パートは短い時間の中で働けばいいので、家事や育児との両立も不可能ではないでしょう。美容師のパートをはじめるにあたり、知っておきたいメリット・デメリット
それではパートで働いてみようかと思ったとき、少しでも不安を軽くするために、知っておくといいことがあります。はじめに、美容師のパート求人はどれくらいあるのかということ。それから、パートで働くメリットやデメリットには、どのようなものがあるのかということです。 美容院の数は年々増加しています。厚生労働省ホームページに「平成30年度衛生行政報告例」の衛生関係施設年次推移というデータがあります。2014年に約237,525軒だった美容院は、毎年数を増やしていって、2018年には251,140軒まで増加。店舗が増えているならば、美容師の需要もあるはず。正社員での募集と比べればパートでの募集は少ないですが、求人サイトで探せば美容師のパートでの求人募集はあります。美容師パートの時給は地域にもよりますが、1,000円前後といったところです。 一般社団法人国際総合ビューティスト協会が実施した「ママ美容師の復職に関する実態調査」では、美容師として働く(または働いたことがある)ママのリアルな声が聞けました。アンケート結果からは、パートで働くメリットやデメリットが浮かび上がってきます。美容師のリアルな意見
・急な呼出があると、予約のお客様に迷惑をかける。職場に託児所があったり、子連れ出勤可能な職場ならいいのに。・学校行事の時に休みたいがなかなか取れず。理解のある職場だったら休みを取りやすい。日曜・祝日休めるところは、家から遠く通勤に時間がかかる。
・時短正社員になりたいが制度がない。個人経営のお店だと社会保険に入れない。拘束時間が長いわりに給料が安い。
・アシスタントで退職した場合、復帰してスタイリストになりたくても、技術を学ぶ時間がない。講習会に行きたいが、時間が遅くて行けない。
パートで働くメリットは?
まだ復帰していないママ美容師のうち71%は、パートでの復職を希望しています。いちばんのメリットは、正社員よりも短い時間内で、自分が働きたい時間に働けること。また、基本的には残業をしなくてもよいので、時間通りに仕事が終わることです。パートならば税金面で損をしないような、扶養の範囲内で働くことも可能。 次に、リアルな意見の中にあった「ブランクが空いてしまう不安」を、少しの時間でも実際に働くということで解消できます。そして好きな美容師という仕事ができることも、メリットのひとつでしょう。パートを選んだら起こるデメリットも覚えておこう
・美容サロンは土日が稼ぎ時なので、土日に休めない。保育園がお休みで預け先がない場合、子どもの預け先を探す必要が出てくる。子どもが小学生以上でも、土日に一緒にいる時間が取れない。・仕事中に子どもの具合が悪くなって、お迎えの連絡が入ったときに、お店の同僚や、指名が入っている場合にはお客様にも迷惑をかけてしまう。
・定時で帰れるといっても、忙しい時間帯だと帰りづらい。
・正社員と比べると、給料が安い。責任の重い正社員とは、やはり立場が違ってくるのでコミュニケーションがうまく取れないこともある。
パート美容師でいられるのは、周囲の理解があってこそ

正社員ではなくパートで働こうと思うのには、さまざまな理由があります。ここでは家事育児に忙しい母親を想定しました。希望の条件をすべてクリアできる職場を探すのは、なかなか難しいことでしょう。でも仕事はタイミングなので、あきらめずに探してみてください。また、美容師として仕事を始めることになると、職場の人やお客様、そして家族の理解や手助けが必要になってきます。自分が気持ちよく働きたいと思うならば、感謝の気持ちをもって、言葉や行動で表すことが大切です。 パートで働き始めることによって、これまでよりもさらに充実した生活を送れますように。
美容室の顧客管理・経営・販促に関するご相談はサロンPOSシステムのSCATへ
お問い合わせはこちら