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美容室経営の基本!損益計算書の読み方とポイントを解説

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美容室の経営者にとって、自店の経営状況を知る上で重要な情報源になるのが損益計算書や貸借対照表などの財務諸表。しかし、それらの内容を即座に理解できるオーナーは意外にも多くはありません。
厳しい美容業界で生き残っていくためには、正しい経営の知識を身に着け、資金管理をきっちり行っていくことが必要になってきます。決算書の1つ損益計算書を読み解いて、経営に活かしていきましょう。


目次
・美容室経営の成績表「損益計算書」
・経営分析もできる財務三表の役割
 ・美容室の利益が分かる「損益計算書」
 ・美容室の財産が分かる「貸借対照表」
 ・お金の流れが分かる「キャッシュフロー計算書」
・損益計算書で見るべき重要なポイント
 ・実際のお金の動きと損益は一致しない
 ・経常利益が最も着目すべき指標
 ・売上原価と合わせて棚卸資産の把握が必要
・損益計算書を読み解いて経営管理に役立てよう



美容室経営の成績表「損益計算書」


美容業界は景気や流行に左右されやすく、安定した経営を維持させていくことが難しい業種と言えるのではないでしょうか。健全な経営を行っていくためには、財務諸表を活用して財務分析を行い、日頃から課題を抽出し、経営改善していく必要があります。
「損益計算書」は美容経営における成績表、通信簿であり、会社の儲ける力が分かる重要な指針です。決算書類は全て理解する必要はありませんが、経営者であれば把握しておくべき損益計算書の読み方とポイントを紹介します。

経営分析もできる財務三表の役割

会社の財務状況を表す資料である財務諸表には、「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」「株主資本等変動計算書」「附属明細表」があります。中でも重要な損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を財務三表といい、決算時に必要な書類になります。客観的に経営状況を把握することができ、経営の方向性を決める判断材料にもなります。
「財務諸表は税務署に提出するためのもの」だと考えている人が多いかもしれません。確かに税金の計算を行い、提出する書類ではありますが、それ以上に会社の本質そのものを表しているものだと言えます。どれ位お金が残っていて、その中から支払いにまわす分はいくらか、支払った後にいくら手元に残るか、それら全てが財務諸表に記載されています。
損益計算書では1年単位ではなく、最低でも過去3年分の業績の推移から収益率の伸びを把握し、貸借対照表で自店の財務体質を分析。キャッシュフロー計算書では見積勘定ではなく、損益計算書と貸借対照表の会計情報の弱点を補正し、資金繰りを知るために利用します。 財務諸表は会社の健康診断書であり、良くない数値があれば改善点を模索し、会社の財務強化を図る足がかりにもなり得ます。

美容室の利益が分かる「損益計算書」

損益計算書(PL)は、一定期間にどれだけ儲かったかが分かる経営成績表です。1年毎に作成するのはもちろん、月次や四半期、半期に作成することもある決算書です。損益計算書には、収益・費用・利益の3つの要素があり、利益(損失)は収益から費用を差し引いて計算します。
利益とは一般的に最終利益である当期純利益を指しますが、損益計算書では、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益の5段階で計算することで、利益の大きさとともに利益の発生する過程を明らかにしてくれます。

美容室の財産が分かる「貸借対照表」

貸借対照表は、バランスシート(BL)と言われる決算書で、プラスの財産だけではなく、マイナスの財産も含めた自店の全財産が分かる財務諸表です。バランスシートの左側を資産、右側を負債と純資産として表示し、財産の元となったお金の調達方法が分かるようになっています。
貸借対照表で分かる指標の1つとして、保持する全財産のうち、返さなくていい純資産の比率を計る「自己資本比率」というものがあります。自己資本率が高いほど、経営が安定している証拠であり、自己資本率が低いのであれば、その問題点を解消するための重要な指標となります。15%以上40%前後を目標に、経営バランスを整えていくことが大切です。
「自己資本比率(%)=自己資本(純資産)÷総資本(資産)」

お金の流れが分かる「キャッシュフロー計算書」

健全な経営を行う上で、経営者が着目すべきなのがお金の流れです。お金の流れを知るためには、損益計算上の利益とともに、キャッシュの動きにも注意を払う必要があります。手元の現金をいかに残すかを考えて、今後の経営計画に役立てられるのが資金繰り表で、過去の資料から損益と収支のズレを把握し、経営状況を見極めるための財務諸表が「キャッシュフロー計算書(CF)」です。
キャッシュフロー計算書は、営業活動(本業による増減)・投資活動(投資による増減)・財務活動(借入や返済による増減)の3つのキャッシュフローから読み解きます。健全なキャッシュフローと言われるのが、営業活動がプラス、投資活動がマイナス、財務活動がマイナスの状態です。

損益計算書で見るべき重要なポイント

損益計算書を正しく読むことで、利益が本業で得たものか、本業以外で得たものかを区別し、本業の経営成績を把握する材料とすることができます。
損益計算書や他の財務諸表を読む際は、自店の決算書を3期分と同業他社のものとを比べて、それぞれの特徴や課題を見ていきます。まずは売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益の5つに着目してください。 売上高を他のものと比較し、ビジネスの規模や傾向をチェックします。売上には、自店が提供するサービスの価値がお客様や社会に認められているかが表れます。
次に利益を見ていきます。売上総利益とは粗利のことで、自社の製品やサービスに稼ぐ力があるかが分かります。本業の利益が分かるのが営業利益で、そこに営業以外の損益を加算した経常利益が会社の実力を表す利益。もう一つが最終的に利益をどれだけ残せたかが分かる当期純利益です。
自店と他店を比べるには、異なる金額を並べてもその差が分かりづらいため、売上高に対する利益率を出して比較すると特徴が分かりやすくなります。この利益率を「売上高利益率」といい、それぞれを「売上総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」として計算し、自店の収益性を知れる指標となります。

実際のお金の動きと損益は一致しない

損益計算書で計算される収益や費用は、実際の収入や支出と異なるという会計ルールがあります。お金の流れよりも、収益力を判断するための情報が分かりやすく表示されているため、損益と実際のお金の動きは必ずしも一致しないという点を念頭に置いておく必要があります。 収入と支出は実際にお金の出入りがあった時に計上できますが、収益や費用は確定した時点で計上されます。ただ損益計算書上ではお金の出入りがなく、代金が未回収の状態でも、収益力に反映されるようになっているため、実際の資金繰りとの誤差が生じてしまいます。
資金ショートを防ぐためにも、損益計算書上では黒字であっても、キャッシュフロー計算書でお金の動きを一緒に確認するようにしましょう。

経常利益が最も着目すべき指標

経常利益は、会社の実力を見るための利益と言われ、総合的な収益力が把握できる指標です。最終的に算出された当期純利益の方が重要なのではないか?と思えるかもしれません。しかし業績を判断する上では、通常起こり得ない損失や利益を含み、前期と比べて儲かったかどうかを読み取ることができない当期純利益は適当ではないでしょう。
売上高に対する経常利益のパーセンテージを経常利益率といい、この値が高いほど経営が順調であるといえます。というのも経常利益は本業の他にも収益を上げられる要素を持つため、会社の基礎体力が分かります。
「経常利益率=経常利益÷売上高×100」4%が一般的企業の数値で、10%前後になると、優秀企業だと言われています。 取引先や他社の経営状況を把握する際も、経常利益を意識して確認するようにしてください。

売上原価と合わせて棚卸資産の把握が必要

売上原価は売上高に関わる費用ですが、損益計算書では売れた分の原価だけしか計上せず、売れ残った商品の原価はこの売上原価には含まれません。売れ残った商品は在庫となり、貸借対照表で棚卸資産として計上されることになります。「売上原価=期首在庫 +当期仕入高 -期末在庫」
たとえ損益計算書上では売上総利益が増えて、売上原価が下がっていたとしても、実は棚卸資産が増えているということもあり得るでしょう。棚卸資産の増加は過剰在庫のリスクを抱えている可能性があり、資金繰りを圧迫する原因となる場合があります。ですので、売上原価とともに棚卸資産をチェックする習慣をつけましょう。

損益計算書を読み解いて経営管理に役立てよう


損益計算書を作成することで、会社の経営状況を知り、損益管理を行って効率よく利益を出すための対策を講じることができます。また行き当たりばったりの経営ではなく、利益の最大化を実現するためにも、資金の調達と運用を戦略的に実施していく必要があります。
様々な角度から経営分析もできる損益計算書を上手に活用し、自店の経営向上に役立てていきましょう。

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