目次
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・美容サロンの開業には計画的な事前準備が必要 ・開業に向けた計画期間の流れとは ・コンセプトを作る ・事業計画を完成させる ・開業計画を実行させる手順とは ・物件探し ・資金調達 ・開店準備は同時進行が原則 ・開業はスタート地点!開業後を見据えて計画を立てよう |
美容サロンの開業には計画的な事前準備が必要
右肩上がりに数を増やし続ける美容サロン。ただその実状は厳しく、開業して数年で廃業に追い込まれる美容サロンも後を絶ちません。これから新たに出店をし、激しい競争の中で生き残っていくためには、開業準備段階から入念な計画を練る必要があります。それでは、お客さまに選ばれる息の長いお店を作るためには、何を考えることが必要なのでしょうか?また、物件探しから始まる、実際の店舗づくりはどんな流れで進めればいいのでしょうか?美容サロン開業に向けての具体的な手順について見ていくことにしましょう。
開業に向けた計画期間の流れとは
開業に向けた計画期間は次のような流れで進めます。1.情報を集めてお店のイメージを作る
2.漠然としたイメージをコンセプトにまとめる
3.事業の計画を立てる
4.資金の計画をたてる
5.1~4を総合して事業計画書を作成する
開業に向けた計画期間は、いつまでに何を決めなくてはならないという時間的制約がありません。コンサルタントなどの専門家に相談しながら立案をしている場合を除けば、時間がどれだけかかっても費用がかかるわけでもありません。
開業の計画は、お店の未来にかかわる大切なことですから、納得のいくまで時間をかけて情報集めや計画案を練りましょう。ただし、気をつけたいのは日々の忙しさに紛れて、だらだらと先送りにしてしまうことです。
いろいろな情報を集めても、何年も寝かせておいては情報の価値が下がってしまいます。また最初から情報を集め直すことになっては、それまでに費やした時間が無駄になります。
「開業する」と決めたからには、自分の中である程度の期限を切ることも必要です。あくまで個人差はありますが、情報集めに1~2年、計画の立案に半年程度の時間をかけるのが一般的なようです。
コンセプトを作る
美容サロン開業におけるコンセプトとは、「経営理念」「ターゲット」「提供サービス」「オリジナリティ要素」を決めること。つまり、「開業する美容サロンが、どのような考え方を持って、どういう人たちに、どういったサービスを提供するか」ということです。これは、お店の内装や、機材選定、メニュー作り、スタッフ採用など、店舗運営の全てに関わってくる、お店の「屋台骨」となります。
最終的なコンセプトはできるだけ具体的にし、ターゲットを絞っていくことがブレないお店作りの鍵となるでしょう。美容サロンが飽和状態にある地域では、「この店でなくてはならない」とお客様に思われるオリジナリティがとても重要な要素になります。
事業計画を完成させる
コンセプトが決まったら、次は具体的な事業計画に入ります。事業計画の最終段階では、資金計画や収支予測など金銭的なことも加えて、事業計画書を作成します。一般的に事業計画書の項目は、以下のようなものになります。
1.これまでの経歴
2.開業の動機
3.ターゲット
4.店舗のイメージ
5.メニューと価格
6.立地条件
7.競合店分析
8.セールスポイント
9.開店時と将来的なスタッフ構成
10.集客計画
11.店名(由来・コンセプト)
12.資金計画
13.収支予測
インターネットでは、事業計画書のテンプレートをダウンロードできるサイトがあるので、上手に活用しましょう。
開業計画を実行する手順とは
事業計画書が完成したら、いよいよ、開業までのカウントダウンが始まります。開業までの具体的な流れとしては、次の通りです。1.スケジュール管理表の作成
2.物件探し
3.内装・外装施工業者探し
4.物件決定
5.施工業者決定
6.資金調達
7.工事開始
8.機器の選定
9.メニューの決定
10.求人
11.各種手続き
12.お店のPR
13.スタッフ教育
14.材料仕入れ
15.開店
自分のペースで事を運べた計画段階とは違い、開業計画が動き出した後には、期日を考えながらいろいろな動きを同時にしなくてはならない場面に直面します。そんな時に、全体的な流れ、それぞれの工程の細かな動き、数ある提出書類の作成などを頭の中だけで管理しようと思ってもそれは無理というものです。
そこで、活用したいのがスケジュール管理表です。形式は開店までのスケジュールが一目でわかるものが理想的。スケジュール管理表を作ってみると、抜けている項目がないかどうかのチェックにも役立ちます。また、会計士などの専門家に相談する際にも、このスケジュール管理表は役立ちます。
物件探し
美容サロン開業において物件探しは、とても重要なプロセスです。出店地域を選ぶ時は、コンセプトと地域のニーズが合っているかをしっかりと確認しましょう。物件のチェックポイントとしては、広さやテナント料が条件にマッチしていること。そして、水道・電気などの設備の仕様が美容サロンの営業に耐えられるかということです。
設備費が抑えられる美容サロンの居抜き物件は金銭的な魅力がある一方、以前の店舗の印象が開業後に影響する場合があるため、閉店の理由をリサーチする必要があります。
物件選びはその後の店舗経営にも大きく影響するので、時間の許す限り慎重に行いましょう。
資金調達
自己資金が潤沢にあり借入することなくお店をはじめられるなら、それに越したことはありません。けれど、美容サロンの開業資金は借り入れを行い調達するのが一般的でしょう。開業資金の主な借入先としては、以下の2つがあります。
・日本政策金融公庫
・制度融資
日本政策金融公庫は公的な金融機関で、多くの美行室が開業資金の借入れに利用しています。また、制度融資は都道府県や市などの自治体が金融機関や信用保証協会と連携して行っている融資制度です。
借入れの手続きは自分で行うこともできますが、書類の準備や審査に対する不安がある場合は、会計士などの専門家に相談してみるといいでしょう。
開店準備は同時進行が原則
開店準備では、常にいくつかの項目を同時進行させる必要があります。例えば、内装工事と並行して、開店準備もしておかなくてはいけません。お店の工事にかかりきりで、施術メニューの決定や求人を怠っていたのでは、内装工事が終わっても研修に入れず、それだけオープンが遅れて余分な経費が発生してしまいます。この余分な経費というのは、主に物件の賃料です。良い物件をキープし内装工事に入るためには、見つけた時点で物件の申し込みを行い、賃貸借契約を結ばなくてはなりません。可能な限り無駄のないスケジュールを組み、賃貸借契約を結んでからの開店準備期間を短く済ませることができれば、余分なコストが抑えられます。
開業はスタート地点!開業後を見据えて計画を立てよう
開業準備を考える時、ゴールをどこに設定するのかはとても重要なことです。もし、開店をゴールと捉えているなら、お店の未来は危ういものとなってしまうかもしれません。
開業時に作る事業計画書は主にお店のスタート時に想定される状況について書くものですが、むしろ大切なのは5年後、10年後。最初から将来をしっかりと見据えた計画も必要です。
お店を出店するのも大変ですが、お店を持続させるのはさらに大変。魅力的な店舗づくりをするためには、時代やニーズの変化に合わせつつも、一本筋の通ったブレない長期計画を常に持ち続けるようにしましょう。
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