美容サロン向けITソリューションサイト SCAT株式会社

美容サロン開業時に就業規則は作るべき?必要性と作り方を解説!

HOME > お役立ち情報 > 美容サロン開業時に就業規則は作るべき?必要性と作り方を解説!
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
美容サロンを開業する際には、就業規則を作成する必要がある場合があります。就業規則とは、労働内容や賃金等について具体的に定めた文書のこと。これを作成することでサロンオーナーであるあなた自身にも、そしてあなたのサロンで働くスタッフにもメリットがあります。この記事では、美容サロンの就業規則について、その必要性や作成方法について解説していきます。


目次
・美容サロン開業時には必要な書類や手続きがたくさん!
・そもそも就業規則とは?なんのために作るの?
 ・就業規則の作成が義務付けられるケースとは
 ・従業員10人以下の美容サロンなら就業規則は不要?
 ・就業規則はスタッフがいつでも見られるようにしておこう
・美容サロン向け 就業規則の作り方
 ・就業規則で必ず書くべき項目
 ・労働時間の定め方、注意したいポイント
 ・賃金はどのように設定すればいい?
 ・その他に就業規則に載せるべき項目
・オーナーのためにもスタッフのためにも就業規則は大切!

美容サロン開業時には必要な書類や手続きがたくさん!


美容サロンを開業することになったら、開業計画に資金計画、事業計画といったさまざまな計画の立案や、店舗となる物件探しと契約、内外装工事会社選び、美容機器メーカーとの契約、融資や助成金の申請、保健所や税務署等への開業申請など……用意すべき書類や行わなければならない手続きがたくさんあります。「就業規則」の作成もその一つ。就業規則は、法的に作成が義務づけられるケースや、そうでなくても作成した方が良い理由があります。
今回は、就業規則が必要な理由と具体的な作成方法についてご説明します。

そもそも就業規則とは?なんのために作るの?

就業規則とは、労働時間や賃金、残業の規定、休憩時間、福利厚生など、従業員を雇い入れる際に必要な項目を定めた文書のことを言います。自分一人もしくは家族だけで営業していくケースであれば就業規則は必要とならない場合もありますが、開業後すぐ、もしくは将来的に従業員として人を雇って営業する場合には、就業規則を作成しておくのがおすすめです。
就業規則は雇用契約の根拠となるほか、給与や労働時間等の雇用に関するオーナー・スタッフ間のトラブルを未然に防ぐ役割があり、オーナーにとってはお店を守るために、スタッフにとっては安心して働くために、必要なものです。
就業規則の具体的な記載内容については後ほど解説しますが、厚生労働省が作成している「モデル就業規則」を見ると、その内容は全14章67条に及び、全80ページほどの大ボリュームとなっています。これだけ膨大な内容の就業規則をすべて自分で作成し、しかもそれを労働法などの法律に則ったものにすることは、個人では到底できないと感じることでしょう。一般的に、美容サロンの就業規則は社会保険労務士に作成を依頼する場合がほとんどです。専門家と打ち合わせを繰り返しながら、あなたのサロンに合ったしっかりとした就業規則を作成していきましょう。

就業規則の作成が義務づけられるケースとは

就業規則は、法的にその作成が義務づけられるケースがあります。これは労働基準法第89条に規定されており、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。(以下略)」とされています。つまり、10人以上の従業員を雇用する場合に就業規則の作成が義務づけられるわけです。就業規則の届け出先は所轄の労働基準監督署署長です。就業規則は作成したときだけでなく、その内容を変更したときにも、その都度労働基準監督署に届け出る必要があります。

従業員10人以下の美容サロンなら就業規則は不要?

では、従業員を10人も雇う予定のないサロンの場合は、就業規則の作成は不要なのでしょうか。
実は、労働基準法で定められた以外にも就業規則が必要なケースがあります。その一つが、サロン経営のために助成金を申請する場合。助成金の種類にもよりますが、申請の際に就業規則の写しの提出を求められることがよくあります。実際、助成金の申請のために慌てて就業規則を作成する…といったケースも珍しくありません。
また、助成金の申請予定がないとしても、万一の時の懲戒解雇には就業規則での規定が必要ですし、労使管理でトラブルになりやすい残業代について事前に規定した書面がないと、多額の残業代を求めて訴訟を起こされる…などの危険性もあります。
こういったことから、できれば開業準備の段階から就業規則についても用意を始めることが良いと考えられます。

就業規則はスタッフがいつでも見られるようにしておこう

就業規則は、作ってあれば良いというものではありません。労働基準法第106条にも「使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則(中略)を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。」と定められているように、スタッフがいつでも誰でも閲覧できる状態にしておく必要があります。必ずしも書面である必要はなく、CD-ROMなどに記録し、スタッフが自由に使用できるパソコンとともに保管しておくという方法もあります。

美容サロン向け 就業規則の作り方

就業規則の内容は労働基準法第89条に定められており、以下のような内容があります。
1.労働時間に関する項目:始業・終業時刻、休憩時間、休日・休暇に関する規定など
2.賃金に関する項目:給与額やその計算方法、給与の支給日や支給方法、昇給の規定など
3.退職に関する項目:解雇の理由や退職金の規定など
4.臨時の賃金等に関する項目:ボーナスなど
5.従業員の費用負担に関する項目:勤務時の食費や作業用品などの費用を負担させる場合はその内容など
6.安全衛生に関する項目:スタッフの健康診断やストレス対策など
7.職業訓練に関する項目:スタッフのスキルアップのための教育訓練に関する規定など
8.災害補償および業務外の傷病扶助に関する項目:労災保険の規定など
9.表彰、制裁に関する項目:勤続年数や業績に応じた表彰、懲戒の規定など
10.その他、全労働者に適応される項目:上記以外にも規定を定める場合など
さらに、これらの各項目は「法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない」(労働基準法第92条)、「使用者は、就業規則の作成又は変更について、(中略)労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない」(労働基準法第90条)と定められています。

就業規則で必ず書くべき項目

前述の就業規則の内容のうち、1から3の項目(退職金については規定する場合のみ)については、必ず記載しなければならない「絶対的必要記載事項」とされています。これらをすべて網羅していなければ、就業規則として成立しないということですね。
これらの項目は、従業員を雇い入れる際には当然決める項目になるでしょう。スタッフとしても入社の際に必ず知っておきたい項目になりますので、「絶対的必要記載事項」となっているのも当然と言えば当然ですね。
こういった必要な事項を漏れなく正確に記載するためには、最初に説明した社会保険労務士のような専門家に依頼して作成するのが確実です。

労働時間の定め方、注意したいポイント

労働基準法32条には、労働時間について以下のような規定があります。
(原則)
・休憩時間を除き、一週間に40時間を超えて労働させてはならない。
・休憩時間を除き、一日に8時間を超えて労働させてはならない。
(例外:施行規則特例)
・従業員数10人未満の場合、一週間に44時間まで労働させることができる。
この法定労働時間の範囲を超える残業部分については、時間外労働として別枠での届け出や割増賃金の支給が必要となります。
例えば、午前9時から午後7時まで営業しているサロンであれば、開店から閉店まで働くとすると休憩時間1時間を除いて9時間となり、1時間は法定外の時間外労働となります。さらに、閉店間際にお客様が来店するケースも考えられますので、時間外労働はさらに長くなる可能性があります。こういった状況でも法定内の労働時間で収めるために、シフト制による時間差出勤などを導入するサロンが大半でしょう。
また、お客様がいない時間帯、いわゆる「客待ち時間」やスタッフの自主練習等の時間をどのように取り扱うのかについても、事前に明確にしておく必要があります。客待ち時間については、お客様がくればいつでもサービスを提供できる時間帯となり、労働時間に含まれます。このため、いかにこの待ち時間を少なくするか、ということも経営上の工夫点のひとつとなります。美容業界では、終業後にサロンに残って勉強会や自主練習をするのが慣例となっています。これらについても、明確な規定がなければ「残業の一部」と主張され、後から未払いの残業手当として請求されたりするトラブルもあります。こういったことを避けるために、業務と非業務の線引きを明確にしておく必要があるでしょう。

賃金はどのように設定すれば良い?

賃金については、スタッフが一番気にする部分でしょう。そのため、スタッフ募集への応募や勤続にも大きな影響を与える項目になります。少なすぎる賃金ではスタッフが確保できませんし、サロンとしての収入に見合わない賃金を設定してしまってはサロンが赤字になります。売上予測を綿密に計算した上で、賃金を決定するようにしましょう。
賃金には以下のような種類があり、それぞれに金額や支給基準、計算方法などを規定する必要があります。
【定期給与】
・所定内給与:基本給、資格手当や通勤手当などの各種手当
・所定外給与:時間外労働手当や休日出勤手当など
【臨時賃金】
・冠婚葬祭の祝い金、見舞金など
【その他】
・ボーナス等
賃金には地域ごとに最低賃金が定められており、この額を下回ることはあってはなりません。具体的な金額については、会計士や社会保険労務士とよく確認しながら設定すると良いでしょう。

その他に就業規則に載せるべき項目

これら「絶対的必要記載事項」以外の項目は「相対的必要記載事項」とされています。規定しない項目については記載する必要はありませんが、事業所ごとに定める必要のある項目については必ず記載しなければならないものとなります。 相対的必要記載事項には実にさまざまな項目が含まれており、どんなことを就業規則として規定すべきなのか、どのように記載すれば良いのかは、サロンの状況により千差万別です。就業規則の作成、特に理美容業界に詳しい専門家に依頼し、よく相談しながら作成すると安心です。


オーナーのためにもスタッフのためにも就業規則は大切!

今回は、美容サロンの就業規則について、その必要性や規則の内容、書き方を見てきました。就業規則は、法律のように難しい言い回しで書かれていることも多く、作成する側としてはつい敬遠しがちかもしれませんが、スタッフに安心して働いてもらうために、そして、訴訟などのトラブルを避けてお店を守るために、ぜひ用意しておきたい文書です。オーナーであるあなたの経営理念をスタッフに知ってもらう良いツールにもなりますので、丁寧に考えて作成されることをおすすめします。就業規則を活かしてオーナーにとってもスタッフにとっても働きやすい、良いサロンを経営していってくださいね。

美容室の顧客管理・経営・販促に関するご相談はサロンPOSシステムのSCATへ
お問い合わせはこちら
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

まずはお気軽にご相談ください

お電話でのお問い合わせはこちら

03-6809-3260

受付時間:9:00~18:00(土日祝日は除く)

※お客様応対の品質向上及び通話内容の確認のため、
録音する場合があります。

LINEでのお問い合わせはこちら

お問い合わせ・資料請求