この記事では、美容サロンにおける在庫管理の重要性と具体的な方法について紹介します。
目次
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・美容サロンにおける在庫管理を分析 ・業務の効率化に欠かせない在庫管理 ・在庫管理システムの導入 ・在庫管理に便利なPOSシステムとは ・在庫管理の共有と教育 ・利益アップとコスト削減に繋がる正しい在庫管理とは ・日次棚卸しの習慣化 ・適切な在庫管理でキャッシュフローを改善 ・在庫管理を徹底して経営状況を把握しよう |
なぜ重要なのか?美容サロンにおける在庫管理を分析!
在庫管理は、売上管理同様、経営者の大切な仕事の1つです。利益にも繋がる重要なことにも関わらず、売上ばかりを優先し、後回しにされることが多々あります。現在、自サロンに在庫がどの位あるかご存知でしょうか?この質問にすぐ答えられないということは、在庫管理に関心がなく、正確に在庫管理がなされていない証拠です。現金はどの会社でもきちんと管理しますが、現金を使って購入したものに関しては、管理が行き届いていないのが現状です。在庫はお金が形を変えたものですので、お金の管理の一部と言えます。美容サロンでの在庫管理の目的は、正しい利益を把握し、常に適正な在庫を維持することで、コスト増加や機会損失を防ぐことにあります。
業務の効率化に欠かせない在庫管理
美容サロンによって在庫管理の方法はさまざまですが、多忙なサロンワークを効率的に行うために、在庫管理を見える化する必要があります。在庫の見える化とは、在庫の「何が」「どこに」「いくつ」あるのかをリアルタイムで確認することができる仕組みのことをいいます。在庫数の管理は、データのリアルタイム性が大切です。正しい在庫管理をすることで、業務の効率化と在庫の削減が可能になってきます。現在保有する正しい在庫数が分かれば、発注ミスによる過剰在庫やチャンスロスを防ぐことができるようになり、売上利益の増加が期待できます。結果的に、お客様の信頼を得ることにも繋がるのです。在庫の見える化を図っても、実際の在庫数とずれてしまっては意味がないので、定期的な棚卸しが必須になります。そんな時に一番利用したいツールが、在庫管理システムです。在庫管理システムを使うことで、商品の発注から販売まで一元管理することが可能です。
在庫管理システムの導入
在庫管理には、手書きの伝票や紙ベースで在庫管理する方法、ExcelやAccessで作成した在庫管理表に入力して行う方法などがあります。しかし手作業やExcelでの在庫管理では、記録ミスや数え間違いなどのヒューマンエラーにより、実際の在庫数との差異が生じる問題が多く発生してしまいます。美容サロンでは無駄な業務のロスをなくすために、現在は便利なツールとして、クラウド型在庫管理システムやレジ機能と連動したPOSシステムが良く利用されるようになってきました。在庫管理ができるシステムを導入すれば、複雑化する在庫管理の正確性がアップし、シンプルに管理することができます。
在庫管理に便利なPOSシステムとは?
POS(Point of Sales)システムとは、お客様との金銭のやり取りをした販売情報の管理ができるシステムです。POSにレジ機能が搭載されたものがPOSレジシステム。在庫管理だけではなく、売上管理や顧客管理、精算機能も備わった美容業界ではなくてはならない機能です。さまざまな種類のPOSシステムがありますが、中でもおすすめは、TBCSCATが提供するPOSシステム「Sacla」です。1つのシステムの中で、あらゆる業務をこなすことができ、バラバラになって管理が難しかった業務を一元化することが可能になります。従来のレジでは手打ちによる金額ミスや時間がかかるなどの問題がありましたが、事前に商品を登録したデータベースを準備し、バーコードスキャナーと連動することで、打ち込みの時間も短縮でき、入力ミスをなくすことができるようになりました。
在庫管理の共有と教育
在庫管理は経営そのものであり、管理のしかた一つで、サロンを成長させることも、経営を傾けさせることもある、重要な取り組みです。まずは在庫管理の店内ルールを作成し、マニュアル化します。いつ誰が行い、どのような方法で行うかなど手順を一定の基準に統一することで、経営者だけではなくスタッフ全員が適切な在庫管理が行えるようになります。特に気をつけなければならないのが、店販以外の施術で使う商品の出庫です。商品を開封した時点でカウントするのか、全て使用し終わった時なのか、前もってルールを明確にしておき、在庫数のズレが生じないよう、正しい管理方法を徹底しましょう。利益アップとコスト削減に繋がる正しい在庫管理とは
美容サロン経営で、売上総利益を(粗利)知るためには、在庫数を把握する必要があります。棚卸しをすることで、在庫の金額がいくらになるか算出することができ、それに伴い、正しい損益を確認できるようになります。毎月月末に棚卸しを行った際、月初にあった在庫の金額である「期首棚卸し高」、月末にあった在庫の金額である「期末棚卸し高」、仕入商品の金額「仕入高」から売上原価を求め、売上総利益を計算しましょう。「売上原価 = 期首商品棚卸し高 + 仕入高- 期末商品棚卸し高」
「売上総利益=売上高-売上原価」
粗利を見ると、どれだけの付加価値をつけて商品を販売できたかが分かります。売上原価は商品の仕入にかかったコストであり、そのコストに粗利をプラスしたものが売上です。営業利益をアップさせるには、売上高を伸ばすか、売上原価を減らす努力が必要です。
日次棚卸しの習慣化
在庫管理をする上で、実際の保有在庫数を確認できる棚卸しは、定期的に行っておきたい作業です。棚卸しの頻度はサロンによって異なりますが、月1回、月末の閉店後や定休日に行うことが多いようです。定期的にすべての商品をチェックすることは大切ですが、できるだけ在庫数のズレを生じさせないために、毎日閉店後、在庫のチェックをする日次棚卸しを習慣づけることが有効です。毎日棚卸しをすることで、今まで時間のかかっていた棚卸しも短縮され、ズレの原因が推測しやすくなるなど、業務の効率化が望めます。適正な在庫管理でキャッシュフローを改善
キャッシュフローの観点から、在庫管理は次の3点に気をつけなければなりません。・在庫は多すぎないか
在庫が多ければ多いほど便利だという間違った認識から、過剰在庫を抱えてしまうことがあります。現金を投下しているため、キャッシュフローは悪化。しかし在庫が少な過ぎれば、販売上の問題が発生してしまいますので、適正な量の在庫を所有することが大切です。
・売れない在庫はないか
いつまでも販売予定のない在庫があると、販売でのキャッシュフローが期待できないので、今後のキャッシュフローに大きな影響を与えます。競合他社の製品と比べ、価格が高かったり、商品の性能やデザインが劣っていたりなどの理由で、売れない在庫となっている場合も。保有していても場所を取るだけで、必要な在庫の保管にも支障が出てきますので、できるだけ早く大幅な値下げをして販売するか、破棄する必要があります。
・使用できない在庫はないか
使用できない在庫があると、キャッシュの回収ができないため、売れない在庫同様、今後のキャッシュフローに大きな影響を与えます。メーカーや商品によって使用期限は設定されていますが、確認が必要です。正しい保管をしないと、たとえ使用期限内でも劣化してしまう場合があるので、正しい在庫管理はサロンとしての義務になります。
在庫管理を徹底して経営状況を把握しよう
在庫管理を徹底することで、売上や費用から経営状況を把握することができます。無駄な支出はないか、改善点はないかなど経営に生かしていく仕組み作りが可能に。POSシステムを利用すれば、さまざまな角度からサロンの経営分析ができ、店舗の売上アップに繋がるのです。過剰在庫や在庫切れ、期限切れの不良在庫のチェックをすることで、今後の販売戦略が立てやすくなります。無駄をなくし、ひと月に必要な在庫量の予測ができるよう、適切な在庫管理を日々行っていきましょう。サロン開業・経営に関するご相談はこちら