今回は美容師がいつ独立すればいいのか、最適なタイミングとメリットをまとめて紹介しています。また、美容院開業にあたって必要なことも解説していますので、開業を具体化する際の参考にしてください。
美容師の目標のひとつ「独立」を考えたことはありますか?
美容師は、独立志向が強い職業であるといいます。手に職をつけられる仕事であること、加えて体力勝負でありながら平均年収が低めであることも、その理由となっているでしょう。 美容師として独立するには、いつのタイミングがベストなのでしょうか?美容師の年齢別のキャリア傾向や年収の状況などを考慮して、適切なタイミングを考えていきましょう。 また、独立の際にすべきことを準備期間や資金の面などから解説しています。美容院の開業は簡単にはいきませんが、メリットもたくさん。独立することにより、自分が望む生き方の実現を目指してみてはいかがでしょうか。
美容師の独立のベストタイミングはいつ?
美容師の世界では、独立に適しているのは30代前後とされているようです。美容師の仕事は1日中立ちっぱなしで、体力のあるうちに開業という大仕事をしたいと考える人が多いといいます。 30代くらいの美容師ともなると施術技術も向上し、アシスタントからスタイリストに昇進した人がほとんどでしょう。 しかしそこからキャリアアップして店長やマネージャーなどの管理職になれるのは一部の人です。多くの美容師がここでキャリアハイとなり、自分の将来を考えざるを得ない状況となります。また、厚生労働省の「平成27年賃金構造基本統計調査」によると、美容師と理容師の平均年収は男性が308万円、女性が271万円です。結婚を考えたとき、特に男性美容師は自分の収入が心もとなく感じ、より多くの収入を得たいと考える傾向にあるようです。 結婚を考える30代前後の美容師にとって、転職とともに選択肢に上がるのが独立です。独立することで満足できる収入を得られるようになり、安定した暮らしを目指していくことができるでしょう。
美容師の平均年収は30代中頃がピーク
美容師の平均年収のピークは30代中頃といわれています。20代前半で美容師になってからは8から10年が経過し、技術も固定客もついてきたころなのにどうしてなのでしょうか? 美容院の客層は女性が中心で、若い美容師に施術してもらうことを望む方が多いようです。そのため、美容師は30代を過ぎると需要が少なくなってしまうのです。前述の厚生労働省の調査では、美容師および理容師の平均年齢は30.2歳とあります。男性の平均年収は30代前半に367万円、30代後半は442万円ですが、40代前半には399万円に減少してしまうのです。
美容師の「40代定年説」とは
美容師の40代定年説という話も聞かれます。40代になるとスタイリストのままの美容師は減り、大部分が管理職であるマネージャーやオーナーとなっているのです。 マネージャーには、施術業務に加えて店舗のマネジメント業務も行う「プレイングマネージャー」と、マネジメント業務だけを行う「専任マネージャー」の2パターンがあります。40代のスタイリストの活躍の場は、中高年の方が多く利用する格安美容室や、老人介護施設に出張する福祉美容の仕事にあるといいます。これらの場合、仕事を続けていくことはできるものの、年収アップは望めないのが現実のようです。
美容師の独立にはメリットがたくさん!
雇われスタイリストから独立し、自分の店を持つことにはメリットがいくつかあります。まず1つ目は、仕事の休みを自分の裁量で決められることです。家族を優先して店舗休みを設定することができるので、ワークライフバランスを実現することも可能です。2つ目は、自分の頑張りが収入に結びつく点です。勤務する美容室によっては歩合給がつくところもあるでしょうが、独立して同じ仕事量をこなしたときに手元に残る金額には及びません。 売上の少なさも自分の責任とはなりますが、原因を追求しポジティブに頑張れる方であれば、収入アップを目指していけるのではないでしょうか。
美容師として独立するためにすべきことは?
美容師として独立するためには、まずは次のことについてしっかりとプランを立てておく必要があります。開業を夢で終わらせないためにも、準備を着実に行いましょう。1つ目は、自分の美容室をどんなタイプにするかです。トータルビューティーの店かヘアケアのみの店なのか、もしくはカットやカラー専門店にするのかなどを決めましょう。 合わせて、提供するメニューを何にするのかも決定します。看板メニューは自分の得意な施術メニューとし、集客を図る方法も。
2つ目は、一緒に働くスタッフの人数です。独立してすぐの頃は集客が安定しないことも多いので、少人数で始めることをおすすめします。
3つ目は、美容室をどこにオープンするかです。自分の美容室のターゲット客層を設定してから、それに見合う場所を探しましょう。 場所の決定の際には、現地に足を運ぶことがとても大切です。通行人や住んでいる人の様子を観察するだけでなく、ライバルになりそうな美容室の有無や施術メニューなどを、リサーチしておきましょう。
開業準備は1年前からを目安に始めよう
美容師として独立したいけれど、何からすべきかがわからないという方は、オープンの1年前から準備を始めることをおすすめします。自己資金や融資のことなどのお金に関することや、今勤務している美容室との関係性、自分のキャリアが独立するに十分かどうかなど、考えるべきことは多くあるからです。 自分の望む独立後のありようを決めたら、ビジネスプランを相談してみましょう。近年ではネットでも美容師の独立相談を受け付けているところがありますので、一度利用してみるのも方法のひとつです。開業するにあたっての課題を見つけられれば、あとは解決策を見つけて実行していくのみ。この過程を元に事業計画書を作成し、物件探しや資金調達などのより具体的な行動につなげていきましょう。
開業資金はどう確保する?
美容院の開業費用の目安は、500万円から1,000万円以上ともいわれます。美容室の規模やスタッフの数によってもかかる費用は異なり、規模が大きければ物件費用が、スタッフが多ければ給与支払い用の運転資金を多めに用意する必要があります。 自己資本のみで独立できれば良いのですが、これだけの額を用意できる方はほとんどいません。まずは自己資金に基づいて予算を決め、それで可能なサロン規模とスタッフ数を決めていくこととなるでしょう。そして事業計画書を作成し、国や自治体から融資を受ける流れとなります。自己資本比率が低めであっても、開業当初から固定客が見込める状況を説明できれば、スムーズに融資を受けられることもあるようです。
既存顧客へのアプローチは勤務先に相談してから
独立してすぐからでも固定客に来てもらえる状況であれば、こんなに心強いことはありません。ですが、勤務先の美容室によっては競合を避けるため、近くで独立しないようにといわれることの方が多いようです。現在の勤務先に角が立たないよう、既存顧客にどこまで独立のお知らせをして良いのか、オーナーに確認しておくことをおすすめします。 既存顧客に勤務先を辞めることは伝えるとして、独立後の新しい美容室の名刺を渡して良いのか、また具体的にどこまで行動して良いのかを聞いておくと良いでしょう。
いつ美容師を独立するかは余裕をもって計画を
独立するまでの準備期間に余裕があれば、それだけ色々な可能性について考慮することもでき、よりベストな選択肢を見つけやすくもなるでしょう。美容師の独立開業には多くの資金が必要で、用立てるためにはしっかりとした事業計画書などの準備が必要です。 美容師の転機は30代にやってきます。アシスタントからスタイリストに昇進したころにはその先のキャリアプランを確認し、先々の人生計画についても考える機会を作りましょう。
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